株式会社富喜屋 代表の宮崎です。
日々、保育園・こども園の給食に携わる中で、
子どもたちの体調管理や食事の大切さを、あらためて感じる場面が増えています。
給食業務は、毎日欠かさず提供する必要があり、
献立作成、食材管理、調理、衛生管理、アレルギー対応、人員配置など、
どれか一つが欠けても成り立たない、非常に責任の重い仕事です。
そのため近年では、給食業務の一部または全部を
外部の専門事業者へ委託する園も増えています。
一方で、実際に検討を始めると
- 「どこまで委託できるのか？」
- 「園として担うべき業務は何か？」
- 「本当に任せて大丈夫なのか？」
といった不安や疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
給食委託は、単に業務を外に出すことではなく、
役割分担をどう設計するかが重要なポイントになります。
本記事では、保育園給食の委託で
「できる業務・できない業務」を中心に、
これまで園の皆さまから寄せられたご質問をもとに、
分かりやすく整理しました。
給食委託を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
委託するとできる業務
委託会社が対応できる主な業務は次のとおりです。
● 献立作成
● 栄養計算・栄養管理
● アレルギー対応食の作成
● 調理業務（年齢別の調理形態を含む）
● 衛生管理（大量調理基準に沿った管理体制）
● 監査に必要な栄養関連書類の作成サポート
● 栄養士や調理員の確保
● 調理室内でのトラブル対応（人間関係の不和・技術差による調整など）
● 調理員の急な欠勤・退職への応援体制
とくに献立作成は、幼児期の発達段階やアレルギー対応、衛生基準など、
多くの配慮が必要な専門業務です。
専門の栄養士が担当することで、給食の質は大きく向上します。
また、栄養士や調理員の確保や給食室内の不和や人的トラブルから完全に解放されて
保育に専念できるのは大きなメリットといえます。
「調理員が急に辞めてしまった」「採用が進まない」などの悩みは、
園運営における大きなストレスですが、この負担が大幅に軽減されます。
委託してもできない業務
一方で、委託しても事業者側では対応できない業務も存在します。
● 保育園側の運営判断（行事の決定、食育方針など）
● 給食費の徴収
● 園児の健康情報の最終判断や保護者対応
● 保育士の業務（食事介助など園内活動）
● 厨房以外の業務管理
● 給食の運搬業務（通常、給食は給食室の搬出口で園側に引き渡されます）
「給食業務は委託、園運営は園が行う」という分担が基本となります。
委託のメリットを簡単にまとめると…
- 専門栄養士のサポートで献立の質・安全性が向上
- 人材確保のストレスから解放される
- アレルギー対応や監査書類が安心
- 調理員の急な欠勤にも対応でき、業務が止まらない
- 園は保育に専念できる環境が整う
給食委託は、単に“仕事を外部に出す”のではなく、
園運営の安定化と保育の質向上につながる選択肢として注目されています。
給食委託にかかる費用は決して安くはありませんが、
それでもそれに勝るメリットが多いからこそ、
委託給食を導入する保育園やこども園が増えているのだと考えられます。
よくいただく質問にお答えします
① 費用はどれくらいかかりますか？
→こちらは本当によく頂くご質問です。
自園給食は、各園の希望（こんな給食にしたい）というご希望に合わせて、
運営方針を決めるため、ご希望内容によって食材の種類や調理者の人数も変わってきます。
そのため、まずは園長先生に詳しくヒアリングをさせて頂いてからお見積りをご提供する流れとなります。
② 厨房をこれから作ります。どれくらいの広さが必要でしょうか？
→新しく給食施設をつくられる場合、
まず気になるのは「場所があるか？スペースはあるか？」ではないでしょうか。
提供人数やご希望の給食内容によっても変わってくるのですが、
ヒアリングの後、標準的な給食室のサンプル図面のご提供も可能です。
また、ご契約後には設計士様との打ち合わせにもご協力が可能です。ご遠慮なくお声がけください。
③ すぐに給食業社さんを変更したいです。いつから受託してもらえますか？
→給食運営のためには、ご希望の給食のヒアリングだけでなく、
栄養士や調理員の確保と教育・食材業者さんの選定・提供方法のすり合わせ等、
決めなければいけない事が多くあります。
おおむね給食開始１年前にご契約を締結するとスムーズな導入が可能です。
なお、貴園の立地や、タイミングによってはより早いタイミングで
受託可能な場合もございますので、まずはお声がけくださいませ。
給食委託は、単に業務を外部に任せることではありません。
園が本来大切にしたい「保育」と「子どもたちの食」を守るために、
役割を見直し、無理のない体制を整えるための選択肢の一つです。
委託できる業務と、園として担うべき業務を正しく理解した上で進めることで、
現場の負担を減らしながら、給食の安全性や安定性を高めることが可能になります。
給食委託にかかる費用は決して安くはありません。
しかしその価値は、数字だけでは測れない部分にあります。
人員不足や急な欠員への対応、衛生管理の継続性、
そして何より、子どもたちに毎日安心して食事を提供できる体制づくり。
給食委託を検討される際は、
「楽になるかどうか」だけで判断するのではなく、
園の方針や現場の状況に合った形で、
無理のない役割分担ができるかを一つの基準として考えてみてください。
給食委託は、園ごとに状況や課題が大きく異なります。
「委託できる業務・できない業務」を理解した上で、
貴園に合った進め方を考えることが大切です。
当社では、保育園・こども園の給食現場に寄り添いながら、
委託範囲や体制づくりについてのご相談を承っています。
- 給食委託を検討し始めたばかりの方
- 直営と委託で迷われている方
- 現在の体制に不安を感じている方
まずはお気軽にご相談ください。
園の状況を伺った上で、無理のない形をご提案いたします。
